2024年08月23日更新

知苦和大明神

  • 難易度:★★|
  • 人数:2人~3人|
  • プレイ時間:3~4時間(ボイスセッション)

あらすじ
 探索者たちは旅行者たちが帰らないある山奥の村の調査を依頼される。
 そこはごく一部の温泉通だけが名前を知っているような辺境の地、霧羅村。
 探索者たちは霧羅村へ調査に向かう事になる。
 
・探偵の探索者がいると導入がスムーズに進みます。
 また女性の探索者が1人はいると中盤でヒントを出し易いです。
・推奨技能は
 ・戦闘技能:こぶし、キック等の徒手空拳で戦えるもの 小さなこん棒 回避
 ・探索技能:目星 聞き耳 図書館
 ・対人技能:信用 説得 心理学
 
・NPCの名前には特に意味は無いので変えて頂いても問題ありません。
・2/17 神話生物の項目に不備があったので訂正しました。

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ストック

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コメント

0.導入
 ・探索者たちの元に行方不明者の捜索の依頼が舞い込む。
  依頼人によればある村に温泉旅行に行った友人が行方不明になってしまったのだという。
  警察に捜索願は出したが進展はなく困ってしまったようだ。
 ・依頼人から村に着いての情報を得る。
  ・村について
   ・村の名前は霧羅村。田舎の山奥に存在する秘境のような場所。
   ・一部の温泉通の間では有名な村。
   ・その村では行方不明になる旅行者が不自然な程多いが警察は動こうとせず、公表しようともしない。
 
 ・調査には依頼人も同行する。
  ・霧羅村へ向かう際に< 運転 >ロール 
  (初心者がいる場合に雰囲気に慣れてもらう為であり、GMが不要と判断したなら無くしても良い)
   ・成功したら無事につく
   ・失敗したら各自1D6のダメージ
 
 
1.第一村人発見
 ・探索者たちが村へ着く直前に1人の男( 大石 )と出会う。
  大石は探索者たちにこの村や村人に対し嫌悪感を抱かせるために横柄な態度で接する。
  この時に< 心理学 >ロール
  ・成功した探索者がいたなら本心からの行動ではなく、探索者たちを案じている事を明かす。
   ・大石:誰だお前たちは。
       ここにはお前らが喜びそうなもんは無い、さっさと帰れ!
       俺は他所もんが大嫌いなんだ。
 
  ➡探索者たちがこれに憤慨して来た道を戻るなら、シナリオ終了となる。
   
  ➡村へ探索者たちがそれでも村へ行こうとするなら2へ
   大石は苦虫を噛み潰したような、何か諦めたような表情を見せる。
  
 
2.Welcome to ようこそ霧羅村
 ・探索者たちが大石と遭遇した後、村へたどり着くと、事前に聞いていた情報と大きく異なることが分かる。
  情報では辺境のド田舎で温泉しかないようなものだとされていたが、実際には普通の温泉街と何ら変わりない。  
  むしろこちらの方が栄えているのではないかと感じる。
 ・探索者たちがその光景に圧倒されていると、村人の青年( 石崎 )が近づいてくる。
  彼は自己紹介と自分がこの村の代表者の一人である事、旅行者にこの村の案内をする役割がある事を伝える。
  ・石崎:僕はこの村の代表者の一人、石崎と申します。
      皆さんこの村は初めてですか? でしたら是非案内させてください。
      皆さんにこの村のいいところを知って頂くのが僕の役目なんです。
 
 ここで探索者たちは先ほどの村人と正反対の好漢であるという印象を抱く。
 また、稀は車での移動に疲れたので先に宿に行っていると言い残しこの場を去る。
 
 ➡探索者たちが石崎と行動を共にするなら3へ
 ➡            別にするなら4へ
 
 
3.石崎 が 仲間 に 加わった
 石崎と行動する探索者たちはこの村の主な施設を案内される。
 ・温泉 資料館 神社 村長の家 土産屋 
 また、行動を共にする探索者は< 1D3+同行している探索者の人数 >の数だけ石崎に質問することが出来る。
 この行動に際して、石崎が共に行動している為、村人は探索者たちに警戒する事は無い。
 また、行動が終わった際に< アイデア >ロール
 ・成功した探索者は村人が自分たちではなく、石崎に対して緊張していたように感じる。
 ・失敗した探索者は妙な違和感だけ覚える。
 この案内の中では各施設の概要を知ることが出来るが、温泉、資料館は入ることが出来ず、各施設も1度しか探索(ロール)できない。
 
4.俺には俺の道がある
 行動を別にする探索者たちは地図にある施設の中から< 1D3+1 >の数の施設をめぐることが出来る。
 また、1か所だけ地図にない場所も宣言してそれがあるならそこへ行ける。
 また、行動が終わった際に< アイデア >ロール
 ・成功した探索者は村人の何人かから自分たちへ奇異の目だけでなく、憐みのような視線を向けられている事に気付く。
 ・失敗した探索者は妙に注目を浴びていると感じる。
 この探索の中では村長の家に入ることはできないが、各施設につき2回まで探索(ロール)出来る。
  
3+4.イカれた施設を紹介するぜ!
 ・画津温泉
  ・効能抜群の温泉。画津 受郎が経営している。
   入るとどんな病気でも治ると評判で、村人もよく利用している。
   探索者たちの泊まる宿でもある。
  ・3でこの施設を訪れた場合には利用はできず、旅館の中に入ることも出来ない。
  ・この温泉に入った場合、HPが最大値まで回復し、技能成功値に6時間+15%の補正値が入る。
 
 ・霧羅村資料館
  ・霧羅村の歴史に関する資料が置いてある古めかしい外観の資料館。
   探索者に< 図書館 >ロール
   ・成功した探索者の人数までこの村の伝説にまつわる巻物を見つける。
    1.黒い僧と5人の付き人
    2.僧と付き人について ()の部分は古くなっていて読むことが出来ない。
 
 ・知苦和神社
  ・さびれた神社
   本堂の中を覗くと案山子が逆さに吊られているのが見える。
   ・探索者たちに< 目星 >ロール
    ・成功した探索者はこの案山子には目が描かれていないことが分かる。
   ・4で訪れた場合は再び< 目星 >ロール
    ・成功した探索者はその奥に扉の様なものがあるのが見える。
     ・扉の奥にはもう一つ祠の様なものと奥に続く扉があり、祠には丸い鏡が置いてある。
      (鏡はあくまで雰囲気づくりに設置したものでありGMが不要と判断したなら描写しなくても良い)
     ・奥の扉は山の地下にあるシャンの地下施設へ繋がっている。
      ・この扉をは昼間に来たときは閉ざされており開けることが出来ない。
 
 ・村長の家
   霧羅村の村長、霧羅 埋々の家。
   村長の家だけあって立派なのは分かるがそれでも装飾過多。
  ・3で訪れた場合は探索者をもてなす。
   この際に< 心理学 >ロール
   ・成功した探索者はまるで獲物が舞い込んできたような喜び方をしていると感じる。
   ・失敗した探索者は自分たちの来訪を心から喜んでいるように感じる。
   また、館の中で< 目星 >ロール
   ・成功した探索者はどこか目が虚ろな人が数人いるのが分かる
    ・これについて聞いた場合、
     ・村長:あれは私、というかこの村の村長の付き人でございます。
         この村代々のしきたりの様なもので御座いまして、
         村長には5人の付き人がつくことになっているのです。
   ・ここでの探索を終える際に< 聞き耳 >ロール
    ・成功した探索者は何かが吠えるような野太い音が聞こえる。
  ・4で訪れた場合は軽くあしらわれ、入ることはできない
 
 ・土産屋
  ・観光地にあるような普通の土産屋、日比谷という初老の男性が経営している。
   基本的に旅行者しか利用しない為、ややさびれている。
   探索者たちが訪れた際に何か買っていくなら、紙に包まれた飴をおまけしてくれる。
   ・この飴の中には旅行者に向けたメッセージが隠されており、探索者が飴を食べた場合に情報を開示する。
    ・悪いことは言わないから早く帰るように
    ・湯治以外の目的があり、それを解決するために来たのなら村はずれにある家を尋ねるように
    ・村人にも気を許してはいけない、村長と巫子には特に気を付けるように
 
 
5.It is red as blood...
 ・日も暮れて村の探索を終えた探索者たちは画津温泉に戻ってくる。
 ・探索者たちが旅館に入ると旅館経営者の画津が出迎える。
  ・< 心理学 >or< アイデア >ロール
   ・成功した場合は探索者を見た時に悲しそうな表情を浮かべていると感じる。
 ・ここで稀が出迎え、ここの温泉は素敵だからと、夕飯の前に探索者たちに温泉を勧めてくる。
  ・入浴時にHPが最大値まで回復する。
 
 ・探索者が出た後も稀は「 もう少し入っていくよ 」と入浴を続ける。
  女性探索者は入れ替わりに1人の女性が脱衣所に入ってくのが分かる。
  ・この時、昼に石崎と同行し村長の屋敷を訪れ屋敷の人間に気付いていた女性探索者は< アイデア >ロール
   ・成功した探索者は村長の屋敷にいた村長の付き人である事を思い出す。
 
 ・その後、部屋で待っていて食事が運ばれてきても、稀が戻ってくることは無かった。
  ・浴場を探しても、宿全体を探しても稀は見つからない。
   ・< 目星 >ロール
    ・成功した探索者は生垣から外に向けてかき分けたような痕跡、その先に続く1人分の足跡を見つける。
     ・< 追跡 >ロールを行ってもよい この時明かりが無いなら-20%
      ・成功した探索者は足跡が1人分の足跡にしては深く沈んでいる事、また、足跡が村の方に向かっていることが分かる。
       ・さらに足跡を追うなら、< 追跡 >ロール 明かりが無いなら-20%
        ・成功した探索者は、足跡が村長の家に向かっていることが分かる。 
         ・宿の人間に< 心理学 >を振ってもそれを聞いて何か感づいている節はあるが答えようとしない。
   
  ・宿の主、画津を詰問するなら< 言いくるめ >or< 説得 >ロール
   ・成功した探索者は画津からこの村で起こっている事を教える。
    ・(自分たちは村ぐるみで旅行者を自分たちの身代わりにしている事、不気味な蟲(シャン)の存在について)
    ・詳しいことは話せないが、稀は村長の家にいる可能性が高い事、もし行くなら相応の準備が必要な事。
     ・これを聞いて飴をもらっている場合、ヒントを思い出し7へ
   
   ・言いくるめ、説得に失敗した場合
    ・知苦和神社を訪れ、奥の扉に気付いていた探索者は< アイデア >ロールを行う。
     ・成功したなら神社の奥にあった扉の事を思い出し、そこが怪しい事に気付く。10へ
 
  ・全てのロールに失敗し何もヒントが無い場合は6へ
  
 
6.神は足掻く者に手を差し伸べるか
 ・稀の手がかりを掴めず八方塞でいた探索者たちの前に石崎が現れ事情を聞く。
  ・石崎:みなさん、困り顔ですがどうかしましたか?
      稀さんの行方が分からなくなった...ですか...?
      稀さんなら先ほど外ですれ違いましたよ。
      何やら急いでいたようですが...恐らく方向からして村長の家でしょうか...
 ・屋敷での須原との遭遇率が30%増加する。
 ・8へ
 
 
7.偏屈な猟師は怪物の口元で勇者を待つ
 ・飴のヒントを手掛かりに村のはずれの家に向かう場合、探索者たちは大石がいたあたりである事を思い出す。
  ・向かった家は予想通り大石の家であり、探索者たちは大石に会う。
   ・大石:こんな時間に何の用だ
       もしや帰るに帰れなくなったか?
       だとしても俺には関係ない、歩いてでも帰れ
  ・大石に土産屋の日比谷や温泉の画津からの情報を交えて< 言いくるめ >or< 説得 >する場合、+20
   ・成功した探索者は大石からこの村の成り立ち、伝説、村長についての情報を得る。
    ・ 村の伝説 黒い僧と5人の付き人の話  僧と付き人について の全文の情報を得る。
     ・この時、ここに記されているものはすべて事実に基づいている可能性が極めて高い事、
      蠅神についてそれらしきものを幼少期に見た記憶がある事、稀が極めて危険な状態である事等の情報を得る。
      ・これを聞いた探索者全員は SANチェック 1 / 1D4
     ・また、稀は村長の家にいる可能性が高い事、村長には付き人の他に護衛がいることの情報を得る。
 ・ここで必要なら軽い鈍器程度なら武器、村長の家の見取り図、裏口への侵入経路の情報を得る。8へ
 
 
8.Save her if your can
 ・稀が村長の家に向かっているという情報を得た探索者たち
  ・7を通過しているなら裏口からの侵入になる為、須原との遭遇は無く、見取り図通りに地下への入り口を見つける。
   ・地下の通路はそのまま真っ直ぐに続いており、途中に村の地下には似つかわしくない未来的な設備を目にする。
    そこには円筒状のステージの様なもの、何かの温度の調節や、物質の調合を行うと思しき機械が立ち並んでいた。
    10へ
 
  ・7を通過していない場合、正門からの侵入となる。
   ・門番はいないが機械式の扉になっているらしく開けるには
    ・扉への< 機械修理 >
    ・< 跳躍 >で門を飛び越えて内側から鍵を開けることになる。
    ・戦闘技能での門の破壊(HP20)                 が必要となる。
 
    ・開錠に成功した場合は中に侵入することが出来る。
    ・開錠に失敗した場合は成功するまで何回でも試みることが出来るがその度に須原との遭遇率が10%ずつ上昇する。
    ・門を破壊した場合は須原との基本遭遇率が100%となる。
   ・屋敷に入ることが出来たら9へ
    
 
9.反逆者は至福/雌伏の時を過ごす
 ・屋敷の中に入れた探索者たち
  ・昼間に来た時よりも明らかに閑散としており、人の気配はない。
   ・ここで< 目星 >ロール
    ・成功した探索者は荒らされた形跡や争った形跡は無いことが分かる。
     また、ここではない何処かへ連れていかれたのではないかと考える。
 
   ・探索者全員は< 聞き耳 >ロール
    ・成功した探索者は地下から低く吠えるような声を聞く。成功した探索者の数だけ須原との遭遇率に-5%。
     ・須原との< 遭遇 >ロール 基本値50%からこれまでの行動での値を±した値
      ・成功した場合は屋敷の探索中に1度須原と遭遇する。
      ・失敗した場合は屋敷の探索中に須原と遭遇しない。
 
 ・屋敷の探索
  ・この屋敷は広く、3階建てである事が外から見てわかる。
   ・< 目星 >ロールで見取り図の様なものを探すことが出来る。
    ・成功した場合、2階以上の階は不自然な場所は無いが、1階の見取り図に黒く塗りつぶされた場所があるのが分かる。
     ・黒く塗りつぶされた場所は2か所あり、片方は階段の近く、もう片方は玄関の正面通路の奥の壁にある事が分かる。
 
   ・< 遭遇 >ロールで遭遇した場合、須原と遭遇する。異様な姿に圧倒される SANチェック 1D4 / 1D6
   ・須原と遭遇した際には、GMは戦うか逃げるかの選択がある事をPLに必ず説明する。
    ・戦う
     ・須原と通常通りの戦闘を行う。
      この遭遇で須原を倒してしまった場合でも10、12で登場する。
    ・逃げる
     ・DEX対抗で成功すればその場から離脱することが出来る。
    ・戦闘を終えるか逃げるかしてこの場を離れた場合、探索を続けることが出来る。
 
  ・階段の近くの黒く塗りつぶされた場所は地下への隠し階段となっており、< 目星 >ロールで見つけることが出来る。
   ・成功した場合、地下へ降りることが出来る。
  ・玄関の正面通路の壁は転送装置がある部屋と繋がっており、壁に触ると違和感があるのが分かるが開けることはできない。
 
 
10.反逆者は闖入者を迎える
 ・地下へと降りた探索者たちは真っ直ぐに続く通路を見つける。幅はそれなりにあり、10人は通れそうだ。
  ・通路の先には何か部屋(転送装置の部屋)があり、そこから何かがこちらに向かってくるのが見える。
   ・須原との遭遇 この場で初めて見るなら SANチェック 1D4 / 1D6
           2度目なら               0  / 1
    ・今回の遭遇では逃げ場はない為、DEX対抗で須原の横を通り抜ける他方法は無い。
     ・行動はDEX順で行う。
      ・無事に通り抜けることが出来たなら奥の部屋を通り抜けて11へ
      ・DEX対抗に失敗した場合は須原との戦闘を行い、自分の手順でもう1度DEX対抗ロール
 
 
11.終わりはきっとすぐそこに
 ・探索者たちが地下通路を通り抜けて地上へ出るとそこでは村長と付き人が揃って何かの儀式を行っていた。
  その中心には稀がおり、5人の付き人の内1人は何か呪文のようなものを唱えていた。
 ・探索者たちが地下から出てきたのを目にした村長はありえないものを見ているようで目を丸くしている。
  5人の付き人の内、3人がこちらを確認すると村長にどういうことかと問い始める。
  ・少しの話し合いの後、こちらへ直ると
   ・村長:どうやってここまで来たかは知らんが邪魔立てしないでもらおうか。
       もうすぐ儂はここを離れる。
       信じるかどうかは別だが、この星はもうすぐ滅びる。
       選ばれたものを除いてな。
       もう貴様らが何をしようと無駄なのだ。分かったら大人しく辞世の句でも考えていろ。
   ・戦闘を行う場合、
    ・村長:我らに挑むか愚か者ども、死ぬのがほんの少し早くなるだけなのだがな。
 
  ・この言葉のあとに探索者たちが戦意を見せるなら戦闘に突入する。12へ
 
12.さっきの敵は今の...
 ・戦闘は5人の付き人が行い、村長は待機している。
  ・戦闘は通常通り行い、付き人のHPが1/2以下になったら、頭が裂け、シャンが現れる。
   ・この時 SANチェック 0 / 1D6
  ・戦闘続行
  
 ・以下、救済措置
  ・5ターン経過して戦闘が終了していない、もしくは探索者が全滅しそうな場合、
   上空から須原がシャンと探索者たちを阻むように降ってくる。
  ・1D3を振り出た目の数だけ須原がシャンに不意打ちを行う。
   ・須原が戦闘に加わり続行。
 
 ・シャンが全滅した場合、ED1へ
 ・探索者が全滅した場合、ED2へ
 
 
ED1.新しい朝が来る
 ・シャンを全滅させた探索者たち
  ・その光景を見て唖然とする村長。
   ・祭壇の近くで気絶している稀を人質に取るが背後から影が伸びて捕まり闇の中へと消えてしまう。  
    ・???:おめでとうございます!皆さんは人類の明日を勝ち取ったのです!
         いやーこれは誇っていいですよ。それだけ偉大な事を成し遂げたのですから。
         ちなみに、彼は賭けに負けたようですのでこれから罰ゲームですね。
         遠い国にご招待というところでしょうか。
         あー、あと、もうじきこの山は支えを失って崩れます。
         もし、短い人生をまだ生きていたいのなら来た道を急いで戻った方が良い。
    ・< 聞き耳 >or< アイデア >ロール
     ・成功したなら闇の中の声が石崎と似ている事に気付く。
 ・そのまま戻るなら無事に山の麓まで戻れる。須原は山に残るようだ。
  ・謎の声の言葉の通り、村長の屋敷があった山は地盤を失ったように崩れていく。
 ・いつの間にか夜が明け朝日が昇っていた。
 ・その後、村では山が崩落したのを見て混乱するもの、何かを察するものと反応は様々だった。
 ・混乱に乗じて車まで行くのならそのまま帰ることが出来る。
  ・帰る途中で大石が頭を下げている姿を目にし、また歓喜に震えた野太く低い咆哮を聞きながら探索者たちは帰路につく。
  
 ・SAN値 回復 報酬
  ・生還:1D10
  ・飴玉の包みの事を村長、石崎に明かさず日比谷が生存:1D4
  ・大石と交友を結んだうえで事件を解決:1D4
  ・須原と共闘し共に生存:1D4
  ・須原が乱入する前に戦闘を終了させる:1D4+1
 
 
ED2.終わらない夜は無いが、始まらない朝はたまにある
 ・シャンを倒すことが出来なかった探索者たち
  ・儀式は完遂され、空に亀裂が入る。
   亀裂から這い出てきたのは原初の渾沌と形容するにふさわしい黒い塊。
   ''それ’’から伸ばされた触手が地上へ触れた瞬間、その場所は崩壊していく。
   触手は次第に探索者たちの方へと近づき...
 
 ・探索者たちは全員ロストとなる。
   
 
解説
・霧羅村
 ・シャンと村人が共存する外界から隔絶された集落。 
 ・共存といっても友好関係を築いているのではなく、シャンに脅されている村人が自分たちの身代わり(生贄)として
  旅行者をシャンに捧げている従属の関係である。
 ・現在でもシャンの支配に反逆しようとする者や旅行者に警告する者もいるがシャンにばれた場合、
  処刑は免れず、また、他者へ話せるものでもない為、反逆者同士の結束は無い。
 ・およそ400年ほど前に山の向こうからやってきた黒い僧(ニャルラトホテプ)と
  5人の付き人(シャン寄生体)がこの地にやってきてアザトースの信仰を広めた。
 ・当然村人のほとんどは反対していたが、シャンの技術により見せしめとして処刑、洗脳され、信仰する事を余儀なくされた。
 ・シャンは500年ほど前に他の惑星よりこの村の地下に移動してきたのであり、地下空洞に金属の神殿を構えている。
  < 500年前に移動 地上へ出る 近くの村の僧を誘拐する 再びこの村へ 信仰を広める >
 ・村のはずれには祭壇があり、そこでアザトースへ生贄を捧げている。
  この村から湧き出る温泉はシャンの技術を用いたもので、効能は抜群である。
 ・この温泉を餌にして犠牲者を釣るのである。
  また、10年に一度村人の中から5人選び、シャンヘと捧げる(被寄生体の交代)儀式と
  70年に一度の巫子の交代(ニャルラトホテプ)の儀式がある。
 
 
村の伝説
・村の伝説 黒い僧と5人の付き人の話 
 昔々、山の向こうから1人の黒い僧と5人の付き人がやってきた。
 この者たちはこの地に正しき教えを伝えに来たのだ。
 村人の中には反対したものもいたが、この者たちの教えを聞き、ある者は自らの不徳を恥じ自害を、ある者は改心をした。
 そうして教えは村に広まっていった。
 そうしてしばらくすると、温泉が湧き始めたのだ。
 それだけではない。山の獣が村に寄り付かなくなり、畑は荒らされず、農作物もよく肥えて育つようになった。
 こうして、この教えは今日までこの村に伝わっているのだ。
 (この教えは外部の者に漏らしてはならず、掟を破った者は死罪となる)
 
・村の伝説 僧と付き人について
 村へ教えを伝えた僧と付き人は神の御使いであるという。
 彼らの魂は不滅のものであるが、肉体の滅びは止めることが出来ない。
 (黒い僧は黒き神、5人の付き人は5柱の蠅神様)
 しかし、この村の繁栄の為に自分たちは留まり続ける必要があると御使いはおっしゃった。
 (そこで、彼らの新しい肉体として村人を捧げる習慣が始まった。)
 今でもその者たちはこの村にひっそりと我々の事を見守っているという。
 
 
NPC
・村長 霧羅 埋々 
 ・強者に媚びへつらい、弱者には横柄。尊大な態度をとるが根は小心者。
 ・村、もとい自分の為なら無関係の他者が犠牲になろうが構わない。
 ・シャンからは生贄を捧げる見返りとして地下深くから見つかった宝石類を報酬として受け取っている。
 ・また、こうして得た宝石を金に換えて、警察へ賄賂を贈り大事になるのを防いでいる。
 
 
・画津
 ・温泉の経営者。
 ・シャンの技術による温泉で生計が成り立っている為、
  シャンの支配や旅行者を生贄に捧げることについて嫌悪感を示しているもののどうする事も出来ないでいる。
 ・探索者たちが旅館を訪れた際には一瞬悲しそうな表情を浮かべる。
  また、行方不明者の事を問いただそうとした場合には、動揺を見せる。
  この際に説得、言いくるめに成功すれば探索者たちに知っていることを話す
 ( 自分たちは村ぐるみで旅行者を自分たちの身代わりにしている事、不気味な蟲(シャン)の存在 )。
 
 
・石崎  APP18 SIZ16 
 ・村人B 村の案内をしてくれる青年。
 ・この村における現人神や巫子の役割を持っている。その正体はこの地に教えをもたらしたニャルラトホテプそのもの。 
 ・この村では70年に一度、その年に生まれた赤子を知苦和大明神へ巫子となる為に捧げる儀式があり、その際にニャルラトホテプが交代を行っている。 
 ・この事は村長以外は知らず、もし村長が探索者と巫子が一緒にいる場面を目撃したなら顔が強張る。また、探索者たちに興味を抱いた場合にヒントを出すこともある。
 ・アザトース信仰を伝えた後もこの地にとどまっている理由はいずれこの地で主を召喚するのを見る為。
 
 
・須原
  HP:24 MP:3 db:1D6 物理装甲:10 SAN値:0
  STR:22 CON:30 POW:3 DEX:5 APP:6 SIZ:18 INT:8 EDU:10    
 《回避》      10%   《キック》  35%   《組み付き》   25%
 《こぶし(パンチ)》50%   《頭突き》  10%   《投擲》     25%
 《マーシャルアーツ》50%   《こん棒》  40%   
 使用武器:棍棒 成功率:40% ダメージ:1D8+db(1D6) 
 ・シャンの支配に反逆する村人。筋肉。普段は村長の家の地下にいる。知苦和武人。
 ・幼少期にシャンの洗脳と肉体改造を受けておりシャンに忠誠を誓う番人と化している。
 ・しかし、洗脳を受けた際にシャンの理不尽な支配に対する反抗心、嫌悪感、復讐心から洗脳の効果が薄れ、
  忠誠を誓うふりをしつつ反逆の機会を窺っている。それでも洗脳による効果は出ており、半ば狂人となっている。
 ・シャン達との戦闘になった際に探索者たちが圧倒的不利な状況に陥った場合にはシャンヘ不意打ちを行い、
  以後探索者たちのサポートを行う( シャンヘの不意打ち : 1D3を振り出た目の数だけシャンに1D4のダメージ )。
  行動は2ターンに1度行い、回避はしない。
 ・シャンの施術により強靭な肉体を得たが、その分寿命が極めて短く、シャンによる支配が終わったとしても長くは生きられない。
 
 ・12において、PLの人数が少ない、探索者が全滅しそう、戦闘技能を取得していない 等の理由で戦闘が詰まった場合の救済措置。
  条件を満たす前に戦闘が終了した場合、また、GMが不要と判断した場合には特に出さなくても良い。
 
 
・大石
 ・村人A
 ・村の入口近くに住んでいる青年。
 ・普段は村の外で猟と村の番をしている。
 ・シャンによる犠牲者を少しでも減らしたいと思っており、この村に来た旅行者に険悪な態度をとり、早く返そうとする。
 ・探索者たちが彼と交流を深めた場合には、探索者たちに村の真実が記された巻物を見せる。
 ・土産屋の主人とは旧知の中で互いに信頼しあっている。
 
 
・日比谷
 ・土産屋を営む初老の男性。
 ・村の内外から生贄を捧げる村の風習には反対だが自分ではどうする事も出来ず、
  土産屋を訪れた旅行者にさりげなく帰るよう促していた。
 ・飴玉の包みの事を村長や石崎に話した場合、シャンに始末される。
 
 
・稀 真紀子 APP16  
 ・今回の調査に同行するNPC。
  友人が湯治へ霧羅村へ行ったきり帰ってこない。
  調べてみると、その村では行方不明者が不自然な程多い。
  その為、友人の捜索と村の調査を探索者に依頼する。
  調査費は報酬含めて言い値で前払い。
   
  
・シャン(シャッガイからの昆虫)
 ・このシナリオの実質的な黒幕。全部で5体おり、戦闘の際にはまず寄生体で戦い、寄生体のHPが1/2以下になると本体で戦う。
 ・シャンは500年ほど前に他の惑星よりこの村の地下に移動してきたのであり、地下空洞に金属の神殿を構えている
   < 500年前に移動 地上へ出る 近くの村の僧を誘拐する 再びこの村へ 信仰を広める >。
 ・村のはずれには祭壇があり、そこでアザトースへ生贄を捧げている。
  この村から湧き出る温泉はシャンの技術を用いたもので、効能は抜群である。この温泉を餌にして犠牲者を集めている。
 ・今回はこの惑星に見切りをつけて別の惑星に移動しようとした際に、後腐れ無いよう破壊して飛び立つために起こった。
 
 ・シャン寄生体
  ・ステータスは通常の人間と同様に作成する。スムーズに戦闘を行う為に低めに設定しても良い。
  ・回避は行わず、戦闘では< こぶし >を使用する。
  ・HPが1/2になったところで寄生された人間の頭部が裂け、シャンが現れる。 
 
 ・シャン
  ・HP:2 MP:17 db:なし
  ・STR:2 CON:2 SIZ:1未満 INT:16 POW:17 DEX:31 
  《回避》   50%   《神経ムチ》  50%   《融合》  60%
  《隠れる》  50%   《忍び歩き》  50%
  《全ての科学の技能》 40%
   
  ・探索者の数が少ない場合、また、シャンの数が多いとGMが判断した場合には回避の数値を減らしても良い。
  
  ・呪文:1D20をロールし、結果がシャンのINT以下なら、その個体はその数だけの呪文を知っている。
   その中には【 アザトースの招来 】が含まれる。
   ・戦闘用の呪文として【 幽体の剃刀 】を習得する。
    また戦闘時に複数の呪文を使用し、クリアの難易度が高くなるとGMが判断した場合、シャンの数を減らしても良い。
  
  ・神経ムチ
   ・チカチカと青白い光を投射する小さな小道具。
   ・神経ムチが当たった場合は抵抗表でシャンのMPと対象のMPを競わせる。
    シャンが勝った場合には対象は非常な苦痛に襲われ、神経ムチのスイッチが切れるまでのたうち回ること以外出来なくなる。
    シャンが負けた場合でも対象は多少の苦痛を感じるのでその後[ 24-CON 時間 ]は技能の成功値に-20%の補正がかかる。
    神経ムチの攻撃は各ラウンドに改めて行うことが可能である。
 
  ・融合
   ・対象の脳内に入り込み、次第に支配していく。
   ・呪文【 シャンを追い出す 】を取得している探索者がいない場合、また、呪文を使用する条件が整えられない場合、
    対象となる探索者のロスト率が極めて高くなる為、GMの判断に任せるものではあるが極力使用すべきではない。
 
  ・幽体の剃刀 ( Coll of Cthulahu クトゥルフ神話TRPG P.290 )
   ・不可視の剃刀を作る呪文。
    射程は使用者の[ POW × 3 ]の値をメートルで表した距離となる。
    ダメージは1ラウンドにつき1D6である。
    呪文をかけるためには2ラウンドを必要とし、2正気度と2MPのコストがかかる。
    効果を発揮するラウンドが1ラウンド増えるたびに使用者は2MPを追加で支払う。
   ・【 幽体の剃刀 】で切り付ける対象は目で見えていなければならず、
    障害物に隠れられた場合、ダメージはその障害物に対して与えられる。
 
     
・知苦和大明神
 ・正体はアザトース(ちくわ ちくは はくち 白痴)
 ・御神体は目が描き込まれていない逆さになった案山子
 ・信仰者はシャン(シャッガイからの昆虫)
 ・この地に教えをもたらしたのは黒い僧(ニャルラトホテプ)と数人の付き人(シャッガイからの昆虫寄生体)
 ・元ネタ通りシナリオに唐突に現れ細かい説明もない。

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